追い焚きのボタンを押してもお風呂が温まらない・追い焚き中にエラーが出てしまう。こうしたトラブルは、ガス給湯器を使う家庭で比較的多く報告されています。原因によっては自分で対処できるケースもありますが、放置すると症状が悪化することもあります。
この記事では、追い焚きができない・効かない主な原因と、自分でできる確認・対処の手順、業者に相談すべきタイミングを詳しく解説します。まず症状を正確に把握することが、解決への第一歩です。
追い焚きができない原因を正確に把握する
①追い焚き専用機能がない機種の場合

追い焚きができないトラブルの中には、実は「その給湯器に追い焚き機能が搭載されていない」というケースがあります。
給湯器には「給湯専用機」と「給湯・追い焚き機能付き(フルオートまたはオートタイプ)」の2種類があり、給湯専用機では浴槽への湯張り後に温度を上げることは構造上できません。
引越し後や給湯器交換後に追い焚きができなくなったと感じた場合、まずは給湯器の型番や仕様を確認してください。
型番はリモコンや給湯器本体のシールに記載されており末尾に「RF」「FT」「FTS」などの文字がある場合は追い焚き機能付きの可能性が高いです。
浴槽に「追い焚き用循環口(往き・戻りの2穴または1穴)」が設置されているかも確認のポイントです。
循環口がない浴槽では追い焚き機能は使用できません。
もし機能自体がない場合は、追い焚き機能付き給湯器への交換と浴槽への循環口工事が必要となるため、リフォーム業者への相談が必要です。
②浴槽循環口の詰まり・フィルター汚れ

追い焚きができない最も一般的な原因のひとつが、浴槽の循環口に設置されたフィルターの詰まりです。
追い焚き機能はポンプでお湯を循環させて加熱する仕組みで循環口フィルターが石鹸カスや皮脂汚れ、カルキ(水垢)で詰まると循環が妨げられ、追い焚きが作動しないかエラーが発生します。
循環口フィルターは浴槽の側面または底面に取り付けられており引っ張るか回転させると取り外せるタイプが多いです。
取り外したフィルターは歯ブラシなどで汚れを落とし、クエン酸水(水200mlにクエン酸小さじ1)に30分程度浸けると水垢も落としやすくなります。
清掃後にフィルターを取り付け直し、追い焚きを試みてください。フィルターが変形・破損している場合は交換が必要です。
追い焚きを頻繁に使用する家庭では月に1〜2回の清掃が理想的で、定期的なメンテナンスで追い焚きトラブルの多くは予防できます。
💡 ポイント
循環口フィルターの清掃は追い焚きトラブルの予防に最も効果的な対策です。取扱説明書でフィルターの取り外し方を確認し、月1回の定期清掃を習慣にしましょう。
③給湯器本体のエラーコード確認

追い焚きができない場合、リモコンにエラーコードが表示されている可能性があります。
給湯器は内部センサーで異常を検知すると自動的にエラーコードを表示し、
安全のために追い焚き機能を停止させます。
追い焚き機能に関連する代表的なエラーコードとして「632」
(循環水が少ない・エアかみ)、「640」(循環ポンプの異常)などが挙げられます。
エラーコードが表示されている場合は取扱説明書のエラーコード一覧を確認し、
指示に従った対処を行いましょう。
多くの場合、一時的な状況(浴槽内の水位が低すぎるなど)が原因で、
改善後にリセットすれば正常に使用できます。
エラーコードが繰り返し表示される場合や、取扱説明書に「業者に連絡」
と記載のあるコードが出た場合は、すみやかに給湯器業者または
メーカーサポートへ連絡してください。
エラーコードは故障診断の重要な手がかりであるため、必ず記録しておきましょう。
④水量・水圧不足による追い焚き停止

給湯器の追い焚き機能は、浴槽内の水量と水圧が一定以上ある状態でのみ正常に動作します。
浴槽のお湯が少なすぎる状態(循環口が水面上に露出している状態)では、ポンプが空気を吸い込んで正常に循環できず、追い焚きが停止したりエラーが発生したりします。
追い焚きを行う際は、浴槽の循環口(吸水口)が完全に水面下に沈んでいる水位を確保することが基本条件です。
目安として循環口より10cm以上高い水位が必要とされています。水位が足りない場合はお湯を足してから再度試みてください。
地域全体の水圧が低下している場合や、止水栓が絞られている場合も追い焚き機能に影響することがあります。
水圧低下が原因と思われる場合は、蛇口から出る水の勢いを確認し、著しく低下しているようであれば水道局またはマンション管理会社に相談してください。
⑤ガス不足・ガス供給停止による追い焚き不能

追い焚きが突然できなくなった場合、ガスの供給が止まっていないかを確認することも重要な確認事項です。
ガスが供給されていない状態ではお湯を沸かすこと自体ができないため、追い焚き機能も当然ながら使用できません。
プロパンガスを使用している場合はガスボンベの残量が少なくなるとガス圧が低下し、追い焚きのように高い熱量を必要とする機能から先に使えなくなるケースがあります。
都市ガスを使用している場合でも、地震後にはガスメーターの安全装置が作動して供給が遮断されることがあります。
他のガス機器(コンロなど)が使えるかどうかを確認することで、ガスの供給状況を素早く判断できます。
コンロが使えない場合はガス会社に連絡してください。ガス代の未払いによる供給停止も考えられるため、請求状況も確認しておきましょう。
⑥浴槽プラグ・配管の劣化が原因になるケース

経年劣化による浴槽プラグの不具合や追い焚き配管の劣化も追い焚きトラブルの原因になることがあります。
浴槽のプラグ(排水栓)が劣化してお湯が少しずつ漏れている場合追い焚き中にお湯が循環口以下に下がってエラーが発生することがあります。
プラグのパッキンが老化してゴムが硬化・変形すると密閉性が失われ、こうした問題が起こりやすくなります。
プラグ交換は比較的安価(1,000〜3,000円程度)で自分でも対応できる場合があります。
また、追い焚き用の循環配管内にスケール(水垢の塊)が堆積すると流路が狭くなり、追い焚き効率が落ちたり完全に停止したりすることがあります。
配管内のスケール除去は専門業者への依頼が必要です。築10年以上の住宅では追い焚きトラブルをきっかけに設備全体の点検を依頼することが将来的なトラブル予防になります。
⚠️ 注意
浴槽プラグや循環口周辺からの水漏れを発見した場合は早めに対処しましょう。放置すると床や壁への浸水被害が拡大することがあります。
⚠️ 給湯器のトラブルは早めの対応が重要です
出張・見積もり・キャンセルはすべて無料です。
追い焚きができない場合の対処手順
①自分でできる応急処置の手順

追い焚きができなくなった際に、業者を呼ぶ前に自分で試せる応急処置手順を順番に実施してみましょう。
まず①浴槽の循環口フィルターを取り外して汚れを確認・清掃します。②浴槽内の水位が循環口より10cm以上高いことを確認します。③リモコンのエラーコード表示を確認してメモします。④給湯器本体のリセットボタンを長押し(3〜5秒)して再起動を試みます。⑤他のガス機器が使えることを確認してガス供給の問題を除外します。⑥改めて追い焚きボタンを押して動作を確認します。
これらの手順で解決しない場合は業者への連絡が必要ですが、事前に確認を行っておくことで業者への状況説明が正確になり、診断時間の短縮と修理費用の節約につながります。
特にエラーコードの記録は重要で、コードによっては業者が訪問前に部品を準備できるため、修理完了までの時間が大幅に短縮できます。
②業者への連絡時に伝えるべき情報と確認事項

追い焚きトラブルで業者に連絡する際は、必要な情報を事前に整理しておくことでスムーズな対応につながります。
業者に伝えるべき情報として
①給湯器の型番と製造年②使用年数③症状の内容(追い焚きが全く動かない・動くが効かない・エラーが出るなど)④エラーコード⑤症状が始まった時期と状況
を準備しておきましょう。
また、業者に確認すべき事項として
①出張費・診断費の有無と金額②見積もりは無料か有料か③作業前に見積もり提示があるか
を必ず確認してください。
緊急性がある場合でも、費用の確認なしに作業開始させると後から高額請求されるトラブルに巻き込まれる可能性があります。
地域の給湯器専門業者やメーカーサービスは信頼性が高く、アフターサービスも充実しているためお勧めです。賃貸物件の場合は管理会社への連絡が先決であり、費用負担の確認を業者への依頼より前に行いましょう。
③循環ポンプ・熱交換器の故障対応

追い焚きができない原因が循環ポンプや熱交換器の故障の場合、専門的な修理が必要となります。
循環ポンプはお湯を浴槽と給湯器の間で循環させる装置で、ポンプの故障または閉塞によって追い焚き機能が完全に停止します。
熱交換器は循環してきたお湯をガスバーナーで加熱する部品で、内部にスケールが堆積したり腐食が進んだりすると加熱効率が著しく低下します。
これらの主要部品の修理費用は部品代と工賃を合わせると3〜8万円程度になることが多く、給湯器の使用年数が8〜10年を超えている場合は部品修理よりも本体交換の方が長期的に見て経済的であるケースが少なくありません。
業者から修理見積もりを取る際は、見積もり金額だけでなく修理後の保証期間と部品保有期間についても確認しましょう。
修理費用が高額になる場合は複数業者から見積もりを取り冷静に修理か交換かを判断することが重要です。
④追い焚き機能なし機種からの買い替え検討

現在の給湯器に追い焚き機能がない場合や、追い焚き機能の修理費用が高額になる場合は、追い焚き機能付きの給湯器への買い替えを検討するタイミングです。
追い焚き機能付き給湯器への交換には、給湯器本体の費用に加えて浴槽への循環口設置工事費が必要になることがあります。
ただし、既に浴槽に循環口(往き・戻りの2穴)が設置されている場合は配管工事が不要なため、比較的スムーズに対応できます。
給湯器選びのポイントとして
①号数(4人家族なら20号以上)②機能(フルオートかオートか)③省エネ性能(エコジョーズ対応)④リモコンの使いやすさ
を考慮することをお勧めします。
交換工事は1日で完了することが多く、仮設の設備なしで当日中に使用を再開できます。
給湯器の交換は補助金制度が活用できる場合もあるため、事前に自治体や給湯器業者に確認しましょう。
✅ 確認
エコジョーズ(高効率給湯器)への交換は従来型より年間ガス代を10〜15%節約できます。初期費用の差額は数年で回収できるケースが多いため、長期的なコストで判断しましょう。
⑤放置した場合のリスクと早期対応の重要性

追い焚きのトラブルを放置することは、快適性の損失にとどまらず様々なリスクを生じさせる可能性があります。
循環ポンプの故障を放置すると、モーターへの負荷が増大して最終的にポンプが完全に停止し、追い焚き機能だけでなく給湯器全体の動作に影響する場合があります。
また、循環配管内に汚れが蓄積した状態を放置すると、細菌(レジオネラ菌など)の繁殖リスクが高まります。
レジオネラ菌は高温多湿の環境を好み、循環式浴槽での繁殖が問題になることがあります。
定期的な循環口の清掃と適切な温度管理がこのリスクを防ぐ基本的な対策です。
さらに、冬季に水漏れや配管不具合を放置すると、気温低下によって凍結が起き、配管の破裂につながることがあります。
些細に思えるトラブルでも早めに原因を確認し、必要に応じて業者に相談することが長期的な費用節約と安全確保につながります。
⑥修理か交換か:追い焚き故障の判断基準

追い焚き故障が発生した際に修理か交換かを判断するための明確な基準を持っておくことが、後悔のない選択につながります。以下の条件に1つ以上当てはまる場合は交換を積極的に検討することをお勧めします。
①給湯器の使用年数が10年以上②追い焚きに関連する故障が過去2年以内に複数回発生している③修理見積もり額が新品交換費用の50%を超えている④メーカーによる部品保有期間が終了している(製造終了から10年以上)⑤最新の省エネ機種への交換で月々のガス代削減が期待できる。
逆に、使用年数が5年以内でかつ修理費用が3万円以下であれば修理対応が合理的です。複数の業者から見積もりを取ることで相場を把握し、費用対効果を客観的に判断するための材料を集めることが重要です。
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追い焚きトラブルを防ぐ日常ケアのポイント
①循環口フィルターの定期清掃

浴槽の循環口フィルターを定期的に清掃することは、追い焚きトラブルを防ぐための最も基本的かつ効果的なメンテナンスです。循環口フィルターは追い焚き時にお湯を吸い込む際のゴミ除けとして機能しており、汚れが蓄積するとお湯の循環が阻害されて追い焚き機能に支障をきたします。
清掃の頻度は使用状況によって異なりますが、月に1〜2回の清掃が推奨されています。
清掃手順は①フィルターを浴槽から取り外す②シャワーで大まかな汚れを流す③歯ブラシや柔らかいブラシで細かい汚れを落とす④頑固な水垢にはクエン酸水溶液に30分浸ける⑤よくすすいで取り付け直すという手順です。
フィルターに損傷(変形・割れ・腐食)がある場合は交換が必要です。メーカー純正の交換フィルターは1,000〜3,000円程度で購入できます。
また、追い焚き配管内の清掃には市販の「配管洗浄剤」を使う方法もあり、半年に1回程度の使用が効果的です。
②入浴剤・入浴後の注意点

入浴剤の種類によっては追い焚き機能や給湯器に悪影響を与えることがあるため、使用する入浴剤の選択と使用後のケアに注意が必要です。
特に問題になりやすいのが、とろみ成分(ポリアクリル酸Na等)を含む入浴剤、硫黄・炭酸などの成分を多く含む入浴剤、植物の花びら・ハーブなどの固形物入り入浴剤です。
これらの成分は循環配管内に付着・蓄積しやすく、フィルターの詰まりや配管内の腐食を引き起こす可能性があります。給湯器の取扱説明書に「使用できる入浴剤の種類」が記載されている場合はそれに従い、不明な場合はメーカーに確認することをお勧めします。
浴槽に入浴剤を使った後は追い焚きをしないか、使用した場合は浴槽を空にして清水でシャワーリングを行いましょう。また、入浴後は浴槽に残り湯をためたまま長時間放置せず、使い終わったら早めに排水することで循環配管内の汚れ蓄積を防ぐことができます。
③追い焚き効率を上げる保温対策

追い焚きの頻度を減らし、給湯器への負荷を軽減するには浴槽のお湯の保温効率を高めることが効果的です。保温性が低い浴槽ではお湯がすぐに冷めてしまい、追い焚き機能を頻繁に使う必要が生じます。
保温効果を高める具体的な方法として、①浴槽用保温シート(断熱マット)を使用する②入浴前に浴室を暖めておく(冬季特に有効)③浴槽の蓋を使って入浴中も保温する④保温機能付きの浴槽蓋(ウレタンフォーム製など)に交換するといった対策があります。
追い焚きの使用回数を減らすことは給湯器の寿命延長にも直結し、また電気・ガス代の節約にもつながります。家族の入浴時間をできるだけ集中させることで、お湯の保温状態を維持しつつ追い焚き回数を最小限に抑えることができます。
💡 ポイント
フルオートタイプの給湯器は自動保温機能があり、設定温度を下回ると自動で追い焚きします。保温温度を1〜2度下げるだけでガス消費量を大幅に削減できます。
④追い焚き配管の専門洗浄

追い焚き配管の内部には、使用を重ねるごとに水垢・石鹸カス・バイオフィルム(細菌の膜)が蓄積します。
これらの汚れは家庭用の配管洗浄剤でもある程度除去できますが、蓄積が進んだ場合や衛生面が気になる場合は専門業者による配管洗浄を依頼することが根本的な解決策です。
専門洗浄では高温・高圧の洗浄液や専用機器を使って配管内部を徹底的に洗浄し、通常の使用では除去できない汚れも落とすことができます。
洗浄の目安は2〜3年に1回、または追い焚き効率が明らかに落ちたと感じた時です。
洗浄費用は業者や配管の長さ・汚れの程度によって異なりますが、一般的に1〜3万円程度が相場です。配管洗浄を定期的に行うことで、レジオネラ菌などの衛生リスクを低減し、追い焚き機能を長期にわたって快適に使用できます。
⑤年1回の専門点検でトラブルを未然防止

追い焚き機能を含む給湯器全体の健全な状態を維持するためには、年に1回の専門業者による点検を受けることが最も効果的なトラブル予防策のひとつです。専門点検では循環ポンプの動作確認・循環配管の水量測定・熱交換器の燃焼状態確認・エラーコードの履歴確認・各部品の消耗状態の評価など、自己点検では発見できない内部の状態を診断してもらえます。
メーカーや給湯器業者が提供する定期点検サービスの料金は1回あたり5,000〜15,000円程度が相場で、問題が発見された場合の早期対処により大きな故障を未然に防ぐことができます。また、点検と同時に循環配管の専門洗浄を依頼することで、衛生上のリスクも解消できます。
10年以上使用している給湯器は点検時に交換時期についてもアドバイスをもらい、計画的な交換準備を進めることをお勧めします。安全で快適な入浴環境を長期間維持するために、給湯器の点検を家のメンテナンス計画に組み込んでおきましょう。
⑥まとめ|追い焚きトラブル対処の優先順位

追い焚きができない・効かないトラブルへの対処は、原因を段階的に絞り込んでいくことが効率的な解決への最短経路です。
まず自分でできることとして①循環口フィルターの清掃②浴槽の水位確認③エラーコードの確認とリセット試行④ガス供給の確認を行い、これらで解決しない場合は業者への相談に進みます。
業者に連絡する際は型番・使用年数・症状・エラーコードの4点を必ず伝えるようにしましょう。
修理か交換かの判断では使用年数(10年が目安)と修理費用の両方を考慮し、複数業者の見積もりを比較した上で冷静に判断してください。
日常的なメンテナンスとして月1回の循環口フィルター清掃・適切な入浴剤の選択・浴槽の保温対策・年1回の専門点検を組み合わせることで、追い焚きトラブルの大部分は予防可能です。
安全で快適な入浴環境を長期間維持するために、給湯器のメンテナンスを日常生活の一部として取り入れることが何より重要です。
⚠️ 給湯器のトラブルは早めの対応が重要です
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